

心臓カテーテル検査とは、心臓にカテーテルという細い管をすすめておこなう検査の総称です。
今は普通に行われているこのカテーテルですが、カテーテルと聞くと刑事訴訟法で薬物検査の際に強引にカテーテルを被疑者にぶっこんでおしっこ抜くのは違法収集証拠じゃないのかとか、毒樹の果実じゃないのかとか、そんな論点があって学んで以来「カテーテル」という謎の響きに興味があったのですが、ドクターフォルスマン博士の話です。
フォルスマン博士はこの心臓カテーテル検査をやった最初の人で、(1904年8月29日~1979年6月1日)フォルスマン博士が若い頃、当時心臓用のカテーテルがなかったため、尿道用カテーテルを代用とし、みずからの左上腕静脈から右心房まで挿入したままレントゲン撮影室まで歩いていき、レントゲン写真を撮って心臓にカテーテルが入っていることを確認したという、すごいことしてしまった博士なんです。
自分が手にしたカテーテルで自分の心臓を見るとか、血とかに弱い私からすれば「うげっ」となる想像ですけど、そのおかげで心臓の検査が進み心臓の状態がわかるようになり、より早く心臓の状況がわかるので対処できるようになり救われる命も増えたのです。
(ちなみに、動物を用いてカテーテル挿入実験をしていますし、屍体を用いてカテーテルが肘静脈から心臓に到達するのを確かめていますので、いきなりではないです。この人体実験の後も犬や自分の血管(静脈)を切開してカテーテルを心臓に挿入する実験を繰り返しています。自身の身体を使ったその回数は17回。何故17回で止めたのはもう切開する血管が無くなったからだと言われています。)
ヴェルナー・フォルスマン博士は漢の中の漢です。自らの身体を犠牲にして医学に貢献した漢です、ヴェルナー・フォルスマン博士。自分の血管を使って実験を行ったフォルスマンのような医師がいたおかげで、心臓病の診断や治療に不可欠な心臓カテーテル検査が広まったのです。ただ博士はそんなことしたから病院をクビになったらしく、自分で開業医して過ごしてたそうですが、その事件から25年経ってノーベル生理学・医学賞した、という本当にいい話です。
千円札の野口英世さんも黄熱病を研究して、最後はご自身が黄熱病に感染して亡くなるのですがやはり漢です。平均寿命の半分を折り返しているのでどう死を迎えるかで考えると、誰にも迷惑かけたくないとか存命医療とか嫌だとかいろいろありますけど、あれをしたかったとか後悔しないようにはしたいものなのと、最期まであいつは頑張ったと言われて逝きたいものですし、免許書の裏に「私は脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植のために臓器を提供します」欄あるのでチェックしてるので、使えるものは使ってもらえればええかなと思います。
