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読書感想文

経済評論家の父から息子への手紙~上位互換がいることで生物学的安心がある

経済評論家の父から息子への手紙。
山崎元さんは今年年始早々に亡くなったのですが、その遺作とも言うべき作品がこの本です。経済評論家で楽天証券や外資系証券会社でも活躍した山崎さん、経済やお金のことについて息子への手紙という名でわかりやすく説いています。本書の最もわかる部分、「大人になった息子へ」最後の章です。

「幸い、息子は順調に育った。背は父よりも高いし、父がかつて入りたかった東大の理類に入った。将棋もまあまあ強い。性格は父よりも遥かにいい。こうした、自分の言わば「上位互換」の子孫がいることで、不思議な「生物学的安心感」とでも言うべき感情が生じている。今回、私は癌に罹って、なかなか厳しい状況に立っているのだけれども、気分が暗くならないのはそのおかげだと思う。」

「世間で言うと叱られそうだが、特に息子はいい。自分の息子が可愛いと思う時に、かつて自分の父親は自分のことをこんなに可愛いと思っていたのかと感じ入ることがあるのだ。強くお勧めしておく。」

自分の上位互換がいれば安心はまだまだわかりません。
仕事も家庭でも、バトンタッチを意識することも多少出てくるかと思いますがまだその領域に達していませんが。

世間から叱られそうだけどそうかもしれません、鉄棒の逆上がりに挑戦しているとき、飛び箱の前で止まってしまったとき、ブリッジがぜんぜんできないとき、縄跳び1回だけできて喜んでいるとき、グダグダなんですがやり切った感で満足げな表情を浮かべているとき。

仕事でも「次世代に残したいから、WEB回りも今のうちにちゃんとしておきたい」という相談仕事をしたことがありますがその感情はすごくわかります。

とある社長のご要望の話で言えば、
「今は修行で出ているけど数年後には戻ってきて事業やっていくから、それまでにどんな事業をしているのか、どんな会社なのか、修行から離れるときに元職場の同僚や先輩が納得してもらえるような、そんなものを作っておきたい」

社長の息子さんへの想いを感じるとともに、当時若い30代前半では深い理解はなかったのですけど今感じるのは素晴らしい発想であって、世間では叱られそうですが、可愛いから残したいんです、と感じます。

「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする」
人を遺すことは難しいのですが、自分の上位互換を遺すことができれば、安心して逝けるのかなと共感、最上の名医という漫画に「無限の樹形図」というものが出てくるのですが、お医者さんが誰かを救うとその人がさらに誰かを救い、救う人と救われる人の無限の樹形図が出来上がっていくというものです。山崎さんは息子さんへこの「無限の樹形図」を遺していったのですが、自分の仕事に置き換えて考えてみると、人の想いを表現するだけでなく人の次の人への想いを伝承・継承していく意味に役立つこともある、そんな仕事だと感じています。そんな先代社長の想い、そして受け継いだ仕事とバトンタッチした仕事、こういった思いも「無限の樹形図」の出発点になるのではないか、と思いながらこのブログを書いています。

誰かが同じ感情を抱いたりすることで無限の樹形図が広がりますように、そんな想いです。

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admin

株式会社クレアネット代表、好きなことはマラソン、サッカー。よく走り、よく蹴り、よく学び、よく経営する。最近はよく打つ、バンカー苦手。文藝春秋の『Sports Graphic Number』大好き。

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