株式会社クレアネットの代表取締役ブログ

ビジネス

働きやすい職場ほど採用とルール設計が難しくなる

働きやすい職場をつくれば、優秀な人が集まり、組織もうまく回る

これは基本的には正しい考え方です。しかし働きやすさだけを強調すると思わぬ問題が起こることもあります。医療業界でもIT業界でもそして一般企業でも同じです。休みを取りやすい、残業が少ない、厳しく叱られない、人間関係が穏やか。こうした職場環境は、誠実に働く人にとって非常に魅力的です。ところが同時に「できるだけ負担を負わずに待遇だけを得たい人」にとっても居心地のよい環境になります。

社会性のある社員は、周囲の空気を読み暗黙の了解を守りながら仕事を進めます。誰かが休めば自然に補い忙しい人がいれば声をかける。会社の制度を使うときも自分だけでなく周囲への影響を考えます。しかしその善意に依存した運営を続けていると制度や配慮を一方的に利用する人が現れます。権利は強く主張する一方で責任や役割を果たさない。周囲がカバーしてくれることを当然と考え注意されると「聞いていない」「教えてもらっていない」と反発する、結果として真面目な人ほど仕事が増え疲弊していきます。

これは医療の現場でもそうだそうですが、ITの現場でも深刻です。どちらも人手不足であり専門性とチームワークが求められます。医療なら一人の判断や行動が患者の安全に関わり、ITなら納期、品質、セキュリティ、顧客の信用に直結します。「人が足りないから誰でもいい」という採用は一時的に人数を埋めても既存社員の負担を増やし最終的には優秀な人から辞めていく原因になります。だから必要なのは、働きやすさを減らすことではありません。働きやすさと、仕事上の責任をセットにすることです。

休暇制度を整えるなら引き継ぎのルールも整える。自由な働き方を認めるなら、期限と成果を明確にする。未経験者を採用するなら教えてもらう姿勢や報告・相談・改善行動を評価する。問題があれば曖昧にせず、事実に基づいて注意し、改善がなければ配置や契約を見直す。この仕組みが必要です。本当に良い職場とは、何をしても許される職場ではありません。誠実に働く人が損をせず、安心して力を発揮できる職場です。
優しさだけでは、良い組織は守れません。採用基準、評価制度、業務ルール、そして必要なときに毅然と対応する管理者の存在。その土台があって初めて、「働きやすさ」は組織の強みになります。経営者としては強い会社を目指す中での結果として「働きやすい職場」を目的とすることがあっても、働きやすい職場だけを中心に物事を考えることはありません、顧客に満足のいくサービス、顧客からの評価などが最大価値なので。

採用活動で社員に語ってもらった場合の違和感はここにあります。また採用就職フェアなどでの違和感は企業がこぞって「土日祝休日」「年間120日」「福利厚生充実」「充実した教育体制」など大々的に打ち出していて、自分は絶対に行きたくないのと「新人をそんな優遇できるだけの余力があるのか?」と逆に心配になりますし、それに惹かれる人もどうなのだろう?とおじさんなったら思うわけで。おじさんのモテる価値=金、みたいなところで。

「できるだけ負担を負わずに待遇だけを得たい人」は理解はするのですが、社会的なお約束とかうまく回っているシステムになじめず、結果ものすごいデメリットとコストが積み上がります。

・手戻りコスト
確認不足や思い込みによって、仕事をやり直す時間が発生する。
・確認コスト
本来任せられる業務まで、上司が逐一チェックしなければならない。
・属人的監視の常態化
その人にだけ特別な確認工程が必要になり、業務フローそのものが重くなる。
・教育投資の回収不能
指導しても学習・改善が積み上がらず、同じ説明が繰り返し必要になる。
・機会損失
本来、営業・顧客対応・経営判断に使うべき時間が、その人への対応に奪われる。
・周囲への負担転嫁
本人が確認・判断すべき仕事を、実質的に上司や同僚へ戻している。
・責任所在の曖昧化
「そう思っていました」という回答が続くと、ミスの原因分析と再発防止ができない。
・心理的消耗
周囲が「また同じことが起きるのでは」と警戒し、余計な緊張や不満を抱える。
・組織基準の低下
低い仕事水準や言い訳を放置すると、それが社内で許容される基準になる。
・顧客信用の毀損
社内だけで済まず、契約・請求・連絡などで顧客に迷惑をかければ、会社全体の信用問題になる。
・意思決定の遅延
不要な確認や曖昧な回答によって、周囲の仕事まで止まる。
・組織生産性の低下
本人一人の処理能力だけでなく、質問される側やフォローする側の生産性まで下げる。

あと下記2つ、
・優秀層の離反リスク
改善しない人のフォローを、有能で責任感のある社員に背負わせると、その社員から疲弊する。
・評価制度への不信
成果や責任に差があるのに同じように扱えば、真面目に働く社員が「頑張る意味がない」と感じる。

これは自分が今は感じないものの、社会人のときには常に感じていました、自分担当プロジェクトを全然終わってないのに定時に逃げるように帰ってる先輩見てると「あの先輩おかしくない?」と思ったことも多々。
自分の軸をもって仕事に取り組んでいたものの、離反はしないものの「優秀層の離反リスク」「評価制度への不信」が発生することは身をもって学んだものです、あとは

「・顧客信用の毀損
社内だけで済まず、契約・請求・連絡などで顧客に迷惑をかければ、会社全体の信用問題になる。」 これなんかも非常に困る内容で。

自己紹介

趣味はマラソン、サッカー、御朱印集め。よく走り、よく蹴り、よく学び、よく歩き、よく仕事し、よく経営する。常に明るく前向きに、夢を希望を抱いた経営を行う。勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。人間の大切な徳。徳である限りこれを積むには不断の努力がいる。

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