ラーゲリ収容所から来た遺書(文芸春秋)、辺見じゅんさん小説を漫画化したものでして、天満橋の京阪モール7階ジュンク堂にはこの本が20冊くらい置いてまして、書店のスタイルなのか在庫ミスなのか店長の狙いなのかわからないのですが、なんとなく購入したのですが実に興味深い本でした。前に辺見じゅんさん小説版は本の帯に「『美智子さまご愛蔵の1冊』」という記載があって、本の帯としては過去最高の賛辞で今後も勝てる気がしないなど紹介をしたのですが、順番で言うと漫画を読んでから小説に入ったので、小説入ってまた漫画に戻るということで深みを得ることができ何度も読みごたえのある本です。
漫画の内容は、第2次大戦後、ソ連軍の捕虜として収容所(ロシア語でラーゲリ)に抑留されながらも生きる希望を捨てなかった山本幡男さんの半生を描くのですが、共に過ごした仲間たちの友情と繋がりを描いた作品です。スベルドロフスクやハバロフスクの収容所に長期抑留され、冬には零下数十度にもなる極寒の地で、粗末な食事しか与えられない厳しい環境のもと、苛烈な重労働を強いられながら、山本さんやその仲間たちは希望を捨てずに生き抜きます。
数少ない例外が本書『収容所から来た遺書』です。刊行から30年以上経った現在も毎年のように版を重ねており、戦争とは無縁な若い世代に感動を与え続けています。
天満橋の京阪モール7階ジュンク堂にはこの本が20冊くらい置いてまして、なのですが、書店からの強い主張だと勝手に感じています。
偶然にも二宮さん主演の映画を見たスタッフがいたので、漫画差し上げましたが大人も子供も戦後の人たちが読んで戦争の悲惨さや平和の大切さを感じ、そして死を目前にしてでも成し遂げ屈しなかった男達のしたたかな知性と人間性を感じてほしいなと思います。
同じ勉強をしていてなぜ差がつくのかは、普段の頭の使い方や無意識と意識が連動しているなどの理由を聞けば「差がつかないはずがない」部分によるものであって、戦争の話などはやはり日本人なら知っておくべきでその中で自分の行動や発言が出てくるのだと思います。慰霊祭があればそっと手をあわせる、英霊に感謝をする、そういった話を8月になれば少しだけ行う、書籍を読んだりする、会社にはラーゲリのほかには永遠の0、ペリリュー、日本でいちばん長い日、特攻の島、など比較的読みやすい本を置いているのもそういう部分です。
小説の方は特急くろしお内で読んで、嗚咽する声を押し殺すので必死でした。