株式会社クレアネットの代表取締役ブログ

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嫁に反対されたので辞退します、で見えるその人の仕事力

採用をしていると面接では本人も非常に前向きで、「ぜひ働きたいです」「この仕事に挑戦したいです」と話し、仕事内容や給与、勤務地などの条件についても一通り説明したうえで本人も納得し、こちらとしても「ぜひ来てほしい」と評価して内定を出したにもかかわらず、最後の最後になって「妻に反対されたので辞退します」と連絡が来ることがありますが、採用する側からすると正直なところ「その話は今なんですか」と思ってしまうことがあります。

もちろん、結婚して家族や子どもがいる以上、転職は本人一人だけの問題ではなく、年収が下がる可能性もあれば、勤務地や勤務時間が変わることもあり、場合によっては転勤によって子どもの学校や生活環境まで変わることになりますし、家事や育児の分担にも影響する以上、妻や夫が転職について不安を感じたり反対したりすること自体は、何もおかしいことではありません。

ただ、経営者として気になるのは、家族が反対したことそのものではなく、なぜ転職活動を始める前に家族ときちんと話をしていなかったのかという点であり、自分がなぜ今の会社を辞めたいのか、転職先で何を実現したいのか、給与や待遇はどう変わるのか、今後どのようなキャリアを築きたいのか、そして家族の生活にはどのような影響が出るのかということを十分に整理しないまま転職活動を進め、内定をもらった段階になって初めて家族に話し、「反対されたので辞退します」という結論になるのであれば、採用する側としては、その人の意思決定の進め方そのものに少し不安を感じてしまいます。

日々思うのですが、「嫁さえ説得できない奴が、部下や顧客を動かせるのか」と思っています。ここで言う「説得」というのは妻を言いくるめたり、反対意見を無視して自分の考えを押し通したりすることではなく相手が何を不安に感じているのかを聞き、自分が何を考えているのかを整理して説明し、収入や勤務地、将来の見通しといった現実的な材料を示しながら双方にとって納得できる着地点を探していくという意味です。

これは実際の仕事でもまったく同じことで、新しい企画を進めたい時に上司を説得する場合でも部下に新しい仕事を任せる場合でも、顧客に高額な提案をする場合でも自分が「これをやりたい」と言うだけで人が動くことはほとんどなく、相手の立場や不安を理解し、その人にとってのメリットやデメリットを整理し必要であれば数字や具体的な根拠を示しながら最終的に相手が納得できる状態をつくっていく必要があります。

そう考えると、家族との転職相談というのは実はその人の説明力や調整力、そして周囲を巻き込む力がかなり表れる場面なのではないかと思いますし、特に30代以降になると仕事人生も長くなり家族や住宅子どもの教育など守るものも増えてくるため、単純に「今の会社が嫌だから辞めたい」「給料が高い会社に行きたい」という話だけでは済まなくなってきます。

だからこそ30代以降の転職では、自分自身の棚卸しをすることが非常に重要であり、これまで何を経験し、どのような仕事を任されどんな成果を出してきたのか、そしてこれから自分はどんな仕事をしたいのかを整理すると同時に、給与、仕事内容、勤務地、勤務時間、裁量、会社の将来性、家族との時間など、多くの条件の中で何を優先し、何なら譲れて何だけは譲れないのかということまで明確にしておく必要があります。

自分自身の中でそこまで整理できていれば、家族に対しても「なぜ転職したいのか」「転職することで何が良くなるのか」「逆にどのようなリスクがあるのか」を説明することができますし、家族から出てくる不安や反対意見についても一つずつ話し合うことができるため、内定をもらってから突然家族に報告し、そこで初めて大きな反対にあって辞退するという事態もかなり減らせるはずです。転職活動というと、求人サイトを見て応募したり、履歴書や職務経歴書を書いたりするところから始まるように思われがちですが、本当はもっと前の段階から始まっていて、「自分はこれからどう働きたいのか」「家族としてどのような生活をしたいのか」「5年後、10年後をどう考えているのか」ということを、自分自身だけでなく家族とも共有しておくことが、転職活動の最初の準備なのだと思います。

採用する側から見ると、内定後に突然出てくる「嫁ブロック」は単なる家庭事情として終わる話ではなく、その人が重要な意思決定をどのように進める人なのか、事前に関係者と話をする人なのか、それとも自分一人で進めて最後になって調整する人なのか、さらには反対意見が出た時にどのように向き合い、どのように周囲と合意形成していく人なのかという、その人の仕事の進め方まで見えてしまう出来事でもあるように思います。仕事というのは、一人で完結するものではなく、上司や部下、同僚、顧客、取引先など、多くの人を巻き込みながら進めていくものですから、転職という人生の大きな意思決定において、最も身近な家族とすら事前に十分な話ができていないのであれば、採用する側がこの人は仕事でも周囲を巻き込みながら物事を進められるのだろうかと考えるのは、決して不自然なことではないと思っています。

自己紹介

趣味はマラソン、サッカー、御朱印集め。よく走り、よく蹴り、よく学び、よく歩き、よく仕事し、よく経営する。常に明るく前向きに、夢を希望を抱いた経営を行う。勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。人間の大切な徳。徳である限りこれを積むには不断の努力がいる。

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