株式会社クレアネットの代表取締役ブログ

ビジネス

自分は正しいが強すぎる人は、組織で必ず行き詰まる

会社を経営していると、仕事の能力や経験以上に大事だと感じるものがあります。それは「自分が間違っている可能性」を受け入れられるかどうかです。
人にはそれぞれ正義がありますし、育った環境も経験も価値観も違うのですから、自分なりの正しさを持つこと自体は決して悪いことではありません。しかし問題なのは、その正義を絶対視してしまい「私は間違っていない」「自分は悪くない」「相手がおかしい」というところまで行ってしまうことでこうなると対話そのものが成立しなくなってしまいます。

本当に仕事のできる人は自分の正しさを証明することよりも「今起きている問題をどう解決するか」を考えます。一方で自分を守ることが最優先になってしまう人は指摘されれば言い訳をし、失敗すれば原因を誰かに求め注意されれば「責められた」と受け取りさらに相手が怒ればそんな言い方をする方が悪いと論点をすり変えていきます。

そして、その積み重ねの最後に完成するのが、自分は被害者だったという物語です。例えば、この資料は触らないでくださいと何度も伝えていたにもかかわらず、勝手に片付けられたとします。当然本人は「何度も言ったのに、なぜ触ったのか」と怒るでしょう。しかしそこでせっかく片付けてあげたのにと反論され、さらに周囲までせっかくやってくれたのだから怒らなくてもいいじゃないかと言い始めると、本来の問題だったはずの「相手の境界線を無視した」という事実が、いつの間にか消えてしまいます。

ちなみに、会社でも同じようなことは頻繁に起こります。ミスを指摘すると私も頑張っていましたと返ってきたり、期限を守らなかった理由を確認すると、忙しかったんです、となったり、業務上の問題を伝えると、そんな言い方をされるとは思いませんでした、といい方の問題にすり替えたりなどして逆に返ってきたりします。もちろん、頑張っていたことも、忙しかったことも事実なのかもしれません。しかし、頑張ったかどうかと、求められた仕事ができていたかどうかは別の問題であり、そこを混同してしまうと改善はできません。ところが、自分の価値が傷つくことに耐えられない人ほど事実を検証するよりも先に自己防衛へ向かってしまいます。

さらに厄介なのが関係が悪化した瞬間に起きる「脱価値化」です。それまで「素晴らしい人」「尊敬できる人」と評価していた相手であっても自分を否定したり、自分の思い通りにならなくなった瞬間に、最低の人、昔からおかしかった人へと評価が180度変わってしまうことがあります。しかし、相手そのものが突然変わったわけではなく、自分から見た相手のポジションが変わっただけなのです。これは退職時にも表れることがあります。在籍中に十分な成果を残せなかった人ほど、最後になって非常に長い退職メールを書き自分の苦労や正当性、会社や周囲への不満を大量に並べることがありますが、それも結局「自分が評価されなかった理由」を自分の中ではなく外側に求めている場合があります。

しかし会社という場所で本当に見るべきなのは、そこではありません。成果は出たのか、責任を果たしたのか、約束を守ったのか、周囲と協力できたのか、そして何より、失敗したときに自分自身を修正できたのかということです。経営者として長く人を見ていると伸びる人には共通点があるように感じます。それは何か問題が起きたときに相手の問題を考えるだけではなくほんの少しでも「自分にも原因がなかっただろうか」と考えられることです。これは自分を責めろという意味ではありません。むしろ、自分の正義を疑うことができない人は自分の行動を修正する機会を失ってしまうため環境や相手が変わっても同じような問題を何度も繰り返してしまいます。

だからこそ、正義は持っていていいし自信もプライドもあっていいと思います。しかし自分の正しさを守るために事実まで都合よく解釈し始めたり、責任をすべて外側へ押し出したりするようになれば、それは自分自身の成長を止めることになります。経営でも人間関係でも、本当に強い人とは「絶対に自分が正しい人」ではありません。自分の正しさを持ちながらも、間違っている可能性を残しておき、実際に間違っていたと分かったときには「自分が間違っていました」と認め、そこから行動を変えられる人。結局そういう人こそが成長を続けることができ、周囲からも長く信頼される人なのだと思います。時に正しくないことも多々行っている自信があるのでわかりますが、全体のバランスなどは非常に大事であって、個別最適化しかできないのに声が大きい場合はまあ混乱を招くものです。

自己紹介

趣味はマラソン、サッカー、御朱印集め。よく走り、よく蹴り、よく学び、よく歩き、よく仕事し、よく経営する。常に明るく前向きに、夢を希望を抱いた経営を行う。勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。人間の大切な徳。徳である限りこれを積むには不断の努力がいる。

アーカイブ

RELATED

PAGE TOP