田辺駅前「らぁめん子弁慶」さん。
外国人観光客に人気のラーメン店を訪れました。味や価格、立地だけを見れば、人気の理由は一般的な飲食店と大きく変わらないようにも見えます。しかし店内を観察すると、フランス人の店主が外国語で自然に会話し、海外から来たお客様を迎えていました。旅先では、注文方法や言葉、店のルールが分からないだけでも不安になります。そこに自分の言葉が通じ文化的な感覚も理解してくれる人がいればそれだけで店は「安心して立ち寄れる場所」になります。お客様が買っているのはラーメンだけではありません。会話できる安心感や受け入れてもらえる居心地まで含めて価値になっていたのです。
これは飲食店に限らず、マーケティングや商品開発、採用、Web制作など、あらゆる仕事に共通します。提供する側の視点だけで考えていると、「品質が高い」「機能が多い」「価格が安い」といった自分たちの基準に偏りがちです。しかし、顧客が本当に感じている不安や不便、選ぶ理由は、提供側と同じ場所から眺めているだけでは見えません。他者の価値観を理解するには、自分の視点を意識的にずらす必要があります。環境を変える、違う地域へ移動する、普段会わない人と付き合う、異なる文化や業界に触れる。デスクの前で資料や数字を見続けるだけでは得られない発見があります。
実際に動き、その場所の空気を吸い、人の表情や会話、音、匂いを五感で受け取る。そこで感じた違和感や驚きを持ち帰り、改めて反芻する。その過程で初めて、知識が自分の学びへ変わります。
今回も現地へ行き、店内を見て、外国人客と店主のやり取りを目にしたからこそ人気の理由に気づけました。同じ視点のまま理解しようとしても、見えるものは変わりません。経営者自身が動き、視点を変え、他者の立場から価値を捉え直すこと。それが顧客理解とマーケティングの出発点だと改めて感じました。老いに抵抗するので思うのですが、机上の空論で物事をさも偉そうに指摘するだけの偏屈には決してなりたくないというのもあります。諸事情あるとはいっても見ててもよくないし、モノを言えない若い人からしても非常に良くない、というのを連続で感じる機会があったのでなおそう思います。
各年代にそった強み活かしたマーケティングがあるので、老後の資産運用とか団塊世代の悩みとかそんな視点を強く持っていきたいとは思います。
